ほくろの除去を解説:方法と注意点

ブルームクリニック 院長 大西雅樹


2013年 愛知医科大学医学部卒業 津島市民病院
2015年 大手美容外科 新宿ANNEX院院長/新宿院副院長
2018年 大手美容外科宇都宮院院長
2020年 大手美容外科横浜院院長 特別技術指導医歴任
2022年 高須クリニック
2022年 BLOOMCLINIC開業(千葉駅前)

ホクロ除去の基礎知識

ホクロとは何か

ホクロ、または医学用語で「母斑細胞母斑」あるいは「色素性母斑」とは、皮膚に存在するメラニン色素を生成するメラノサイトが何らかの理由で変質し、増殖した結果形成される良性の腫瘍です。これらは主に皮膚の表皮と真皮の境界領域に位置し、その色は褐色から黒色にわたります。ほくろは形状や大きさが様々で、平らなものから隆起したもの、毛が生えているものまで多岐にわたります。また、先天性のものと後天性のものがあり、特に後天性のほくろは紫外線の影響を受けて増えることがあります。

除去を検討する理由

ホクロの除去を検討する理由は大きく二つに分けられます。第一に美容的な理由で、特に顔や見えやすい部位にあるホクロが大きい、または形が不規則である場合、それを気にされる方が多くいます。第二に健康的な懸念からで、ホクロが急速に大きくなる、色が変わる、不定形である、痛みやかゆみが伴うなどの変化が見られる場合、悪性腫瘍であるメラノーマの可能性があるため、除去して詳細な検査を行う必要があります。これらの変化が見られた場合には、速やかに専門医の診断を受けることが推奨されます。

専門医の選び方

ホクロの安全な除去を行うためには、経験豊富な皮膚科医または美容外科医を選ぶことが重要です。医師を選ぶ際には、その医師の資格、経験、以前に行った治療の結果などを確認し、信頼できる医師かどうかを見極める必要があります。また、医師が提供する治療方法の説明をしっかりと聞き、どのようなリスクが伴うのか、術後のケアはどのように行うのかを理解することも大切です。事前のカウンセリングを通じて、患者と医師との信頼関係を築くことが、治療の成功には不可欠です。

事前のカウンセリング

ホクロ除去手術前に医師と行う事前カウンセリングは、患者にとっても医師にとっても非常に重要です。この時には、治療の全体的な流れ、使用する医療機器、麻酔の種類、術後の痛みやケア方法、治療にかかる費用などが詳細に説明されます。また、患者の健康状態やアレルギー歴、過去の医療履歴を共有し、治療計画を個々の状況に合わせて最適化します。期待できる結果だけでなく、可能性のあるリスクについてもオープンに話し合うことが望まれます。

健康保険の適用

日本の健康保険では、ホクロ除去が美容的な理由の場合、通常は保険適用外とされることが多いですが、悪性の疑いがある場合や医療上の必要がある場合には適用されることもあります。治療を受ける前には、医師と保険の適用について十分に話し合い、自費診療となる場合の費用も確認しておくことが重要です。万が一、手術後に悪性腫瘍が確認された場合には、後日保険が適用されることもあるため、その旨を医師に確認しておくとよいでしょう。

手術的除去方法

切除法

切除法は、特に深い位置にあるホクロや、大きくて複雑な形をしたホクロを除去するのに適した方法です。この手術では、患者さんの皮膚に局部麻酔を施した後、専門の医師がメスを使用してホクロを丁寧に切り取ります。ホクロが皮膚の深い部分にある場合、周囲の健康な皮膚を少し含めて切除することが多いです。切除後は、傷口が開かないように縫合し、傷が自然に治るようにサポートします。この方法の主な利点は、一度の手術でホクロを根本から取り除ける点ですが、傷跡が残る可能性があるため、事前のカウンセリングでしっかりとリスクについて理解することが重要です。

縫合法

ホクロの除去後の縫合法は、切除法で生じた傷口を閉じる重要な手段です。大きなホクロが取り除かれた後、皮膚を自然に治癒させるためには縫合が不可欠です。この際、使用される糸は患者の皮膚タイプや傷口の大きさ、形状によって選ばれます。縫合は皮膚の引き合わせを助け、治癒過程を促進しますが、糸が皮膚に完全に馴染むまでには数週間を要することがあります。縫合部分の適切なケアが必要で、感染のリスクを避けるために、術後の指示に従って清潔に保つことが求められます。

レーザー除去

レーザー除去法は、特に表面的なホクロや色素が濃いホクロを対象としています。この治療では、高エネルギーのレーザー光をホクロの部分に照射し、異常な色素細胞を破壊します。レーザー治療の最大の利点は、非侵襲的であることと、治療後の傷跡がほとんど残らないことです。また、治療時間も短く、通常は数分から数十分程度で完了します。しかし、レーザー治療は表層的なホクロには効果的ですが、深く根ざしたホクロには適していないため、治療前には専門医との十分な相談が必要です。

電気焼灼法

電気焼灼法は、高周波の電流を用いてホクロを焼く治療法です。この方法は特に小さなホクロや表面的なイボに適しており、治療器具を使って直接皮膚の異常部分に熱を加えて焼き切ります。治療は比較的迅速に行われ、痛みも最小限に抑えられますが、適切な麻酔が施されるため患者さんの不快感は少ないです。ただし、処置後には小さな焦げ跡が一時的に残ることがあり、これが自然に治るまでには数週間かかることもあります。

冷凍療法

冷凍療法は、液体窒素を用いてホクロを急速に冷却し、細胞を凍結させることで除去する方法です。特に小さいホクロや表面が平らなホクロに有効で、治療は数秒から数分で完了します。液体窒素は非常に低温のため、処置中は軽い痛みを感じることがありますが、処置後の回復は速く、通常の活動にすぐに戻れます。しかし、凍結治療は再発する可能性があり、一部の深いホクロや大きなホクロには効果が限定的であるため、使用する場合は慎重な判断が必要です。

ほくろ除去のメリットとデメリット

ホクロの成因について

ホクロができる一番の原因は紫外線です。紫外線を浴び続けることで、肌の中のメラニン色素が増え、それが体外に排出されずに肌に留まるとホクロとして残ってしまいます。日常生活で意識せずに浴びている紫外線が、じわじわと肌にダメージを与えているのです。

紫外線対策の重要性

紫外線は私たちが思っている以上に毎日の生活の中で浴びています。特に若いころに屋外スポーツや活動で長時間太陽の下にいた人は、年を取るとホクロが増える傾向があります。このため、日焼け止めを使う、帽子や長袖の服を着るなど、日常的に紫外線対策をすることが非常に重要です。

ホクロ除去の方法とその選択

ホクロを除去する方法には主に「焼いて取る方法」と「切り取る方法」があります。ホクロの大きさや形状、位置によってどちらの方法が適しているかが異なりますので、専門の医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。例えば、小さなホクロであれば焼いて取る方法が適していることが多いですが、大きなホクロや目立つ場所にあるホクロは、切り取る方法の方が綺麗に仕上がることがあります。

ホクロ除去のメリット

ホクロ除去の最大のメリットは、見た目の美しさを改善できることです。特に顔や目立つ場所にあるホクロを取り除くことで、肌がクリアに見え、自信を持って生活することができます。また、ホクロが大きい場合や色が変わったりしている場合は、健康リスクを減らすためにも除去することが推奨されます。

ホクロ除去のデメリット

ホクロ除去にはいくつかのデメリットもあります。例えば、処置によっては跡が残ることがあり、特に大きなホクロを取り除いた場合、肌に穴が開いてしまったような見た目になることがあります。また、完全にホクロを除去できずに再発するリスクもあります。治療後は適切なアフターケアが必要であり、時には追加の治療が必要になることもあります。

アフターケアと注意点

手術後の傷口ケア

ほくろ除去後、患部はとてもデリケートになっています。最初の24時間は、傷口をドレッシングテープで保護し、翌日にはこれを取り除いてください。大きなほくろを取り除いた場合は、ドクターから指示された軟膏を一週間塗り続け、上からテープを貼って保護します。入浴時は、手術部位を強く擦らないよう注意し、特に膨らんでいたほくろがあった場合は、当日中は水を避けるようにしましょう。

痕跡の最小化

ほくろ除去後、特にレーザー治療の場合、1週間後には自然とかさぶたが取れてきます。この時期に傷口を強くこすったり、無理にかさぶたを剥がすと傷跡が残る原因になるため、自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。かさぶたが取れた後は、ハイドロキノンなどの美白剤を使って色素沈着を予防し、目立たなくすることが推奨されます。

日焼け止めの使用

ほくろ除去後の皮膚は普段よりUVに敏感になっています。そのため、SPF30以上で紫外線散乱剤を含む日焼け止めを選び、外出時にはこまめに塗り直しをすることが大切です。紫外線による色素沈着を防ぐために、レーザー治療直後から日焼け止めの使用を心がけましょう。

再発の警戒

ほくろが再発する可能性もあります。特にレーザー治療では、メラニン色素が完全には除去されない場合があります。治療後は定期的に皮膚の状態をチェックし、異変が見られた場合はすぐに医師に相談してください。また、強い日光を避けるなどして、再発リスクを最小限に抑えましょう。

医師との定期的なフォローアップ

ほくろ除去後は、医師との定期的なフォローアップが非常に重要です。これにより、治療後の適切なケアが行われ、早期に問題が発見されれば迅速に対処することができます。また、美容だけでなく皮膚の健康を維持するためにも、定期的な皮膚チェックが勧められます。

これらのケアを適切に行うことで、ほくろ除去後も健やかで美しい肌を保つことができます。